この本の“はじめに”に、
書かれている文章をご紹介します。
この本を手になさったあなたは、
できれば教会で結婚式を挙げたい、と願っている人で、
まじめに自分の生き方や結婚生活のことを考えている人で、
もしかしたら、このままこの人と結婚してしまっていいのだろうか、とちょっぴり不安をもっている人かも知れません。
この本は、そういうあなたのために書かれた本です。
結婚は、わたしたちが人生の中で経験する一番大きな出来事です。
そして誰でも、幸せな結婚生活を願って結婚します。
そういう願いを表すように、華やかな衣装をまとった幸せいっぱいの花嫁や荘厳な雰囲気のチャペルの写真をあしらった結婚式場のパンフレットもたくさんありますし、そういうものにあこがれて結婚する人たちも少なくありません。
でも、あなたはご存じですね。
結婚式は、結婚生活の入り口に過ぎないこと、
そして結婚生活は、文字通り「生活」であることを。
その生活を、幸せなものにするためには、やはり努力が必要であって、結婚しさえすれば幸せになるものではない、ということを。
その通りです。
ある調査によると、結婚している夫婦に「今あなたがたは幸せな結婚生活をしていますか」と尋ねて、ふたりが揃って、はい、と答えられる夫婦は5パーセントほどだということです。
残りの95パーセントは、といえば、何とか我慢できる、というのです。
何とか我慢できる、というような、そんな夫婦になりたいと思って結婚する人は誰もいません。誰もが、自分たちは幸せになろう、幸せになれる、と思って結婚するのです。
それなのに、現実が志とは違ってしまうことが多いのです。
結婚イコール幸せな生活ではないのです。
結婚は「ゴールイン」するものではありません。
そこからスタートするものなのです。
でも、どの方向に向かってスタートしたらよいのでしょう。
この本に書いてあることは、その方向のひとつです。
この小さな本が、幸せな結婚をしたいと真剣に願っておられるあなたの助けになれたら、こんなに嬉しいことはありません。
この本には、教会の結婚式で読まれる聖書の言葉や、式の中で行われることを手がかりにしながら、よい結婚生活とはどういうものか、そのような結婚生活を実現するために、結婚前に考えておくべきことは何か、ということを、できるだけ具体的に、わかりやすく書いてあります。
ひとつひとつ読んでいくと、結婚式の中で行われることが、結婚生活にとってどんなに大きな意味をもっているかがおわかりいただけると思います。
ですから、この本の中には、いろいろな聖書の言葉が出てきます。
でも、それが聖書のどこに書いてある言葉かを、文中では示すことをしませんでした。
聖書を持っていない人も、違和感なく読めるようにしたいと思ったからです。
ただ、それを知りたい人のために、巻末にまとめて載せました。
聖書をお持ちの方は、ぜひ開いて読んで見てください。
もうひとつ、心にとめていただきたいことがあります。
結婚を考えるときには「幸せな結婚をする」とか「幸せな夫婦になる」というように「幸せ」を目指すことが多いです。
でもこの本の中では、「よい結婚生活をする」あるいは「よい夫婦になる」ことを考えています。
幸せ、というのは個人的な気持ちであって、場合によっては、相手は不幸でも自分は幸せ、ということがあるかも知れません。
でも、よい夫婦になろう、と思ったら、相手を無視することはできません。
そして、よい夫婦であることは、幸せな夫婦であることにつながるのです。
最後に、もしこの本をお読みになって、心に残ることがあったなら、ぜひそのことをあなたの相手の方にも話してあげて、一緒にそこを読んでください。
よい夫婦になることは、ひとりではできません。
ふたりで一緒に考え、取り組まなければならないことです。
もしこの本がきっかけになって、おふたりがよく話し合い、自分たちの進む方向を一緒に捜すことができたら、そこから、もうすでに、よい夫婦になる歩みが始まっているのです。(著者:はじめに「全文」)
●この本の「目次」です。
はじめに・・・P5
何のために結婚するの・・・P12
夫婦は戦友です・・・P22
親よりも、子どもよりも、夫婦が大切・・・P32
いつまでも夫と妻でいましょう・・・P44
セックスは大事です・・・P52
愛のために何を捨てますか・・・P64
愛することは信じること・・・P70
夫の愛と妻の愛・・・P76
愛がなければ、言葉は通じません・・・P88
違っているから面白い・・・P102
結婚生活を支える「約束」・・・P116
十字架の前で・・・P130
この本の中の聖書の言葉とその引用箇所・・・P138
教会での結婚式、わからないことは何ですか・・・P141
あとがき・・・P156
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